モデル化範囲
- シングルピニオンタイプのみで、ダブルピニオンは対象外
- キャリヤは含まない
- ピニオンは円周等配置
- 各歯車のかみ合い位相合わせは行う
- ピニオン数の制限なし
- 成立性チェックあり
遊星歯車の3Dモデルは次の範囲でモデル化しています
- 成立性チェック・・・同軸条件、隣接条件、等配条件について成立性確認します。Ver32からはトロコイド干渉、トリミング干渉、インボリュート干渉についても確認しています。
- 諸元設計ツールの2D画面では遊星歯車全体を表示しません
諸元入力方法
- プリセット入力・・・ソフトに内蔵の8例から選ぶ
- 任意諸元入力・・・リングギヤ、サンギヤ、ピニオンギヤ歯数をユーザが入力
次の2つの方法があります
- プリセットの8例はピニオン数3~10
プリセット入力
- 「遊星歯車」タブをクリックします
- 表の例1から例8のいずれかの列をクリックします
- クリックした列のデータが、「計算列」にコピーされます
- ねじれ角、歯幅等の修正があれば入力します
- 「成立性」ボタンをクリックします
- 右側のテキストボックスに、同軸、隣接、等配の3条件の評価結果が表示されます
- 条件をすべて満足して、「モデル作成」ボタンが操作可能になったら押します
- 選択した遊星歯車をペアのギヤセットに分解して、諸元入力欄、条件入力欄、Fusion設定欄にデータが自動的に入力されます
- 「計算完了しました」メッセージが表示されます
- 「Fusion 360」タブに移ります。あとは「3Dモデルの作成」手順と同じです
任意諸元入力
- 「遊星歯車」タブをクリックします
- 「計算列」に任意の諸元を入力します
- ねじれ角、歯幅等の修正があれば入力します
- 「成立性」ボタンをクリックします
- あとはプリセット手順と同じです
- 任意諸元入力時の歯数設定の参考として、以下のようなurlがあります。
内歯車の干渉条件
干渉条件の判定結果は、「計算結果」タブの末尾のほうにあります。
転位のない圧力角20°、並歯の内歯車では歯先円が基礎円より小さくなってしまうため、歯数34枚未満の歯形が成立しない
- トリミング干渉・・・ピニオンを半径方向に移動するときに干渉
- インボリュート干渉・・・ ピニオンの歯元と内歯車の歯先が干渉
- トロコイド干渉・・・ ピニオンの歯先が歯溝から抜け出るときに、内歯車の歯元と干渉
【ご参考】本ソフトにおける遊星歯車の設定
- 3ピニオン遊星歯車の場合、
- ピニオン#0×リング#0
- ピニオン#1×サン#1
- ピニオン#2×サン#2
- ピニオン#3×サン#3
- ピニオン#0と#1は同一歯車、サン#1,#2,#3は同一歯車です。
- リングは内歯車で、残りは外歯車です。
- 以上を表現するために、次のような表を持っています。
本ソフトは、遊星歯車を2つの歯車の組み合わせで表現しています
一連の作業はソフト側で行われるのでユーザは操作する必要はありません
- 「表示」・・・チェックのついていない歯車は重複のある歯車の片側で、CAD側でむだな計算をさせない
- 「内歯」・・・リングギヤにはチェックが入る
- 「プラネタリ」・・・遊星歯車メンバーにはチェックが入る
【ご参考】遊星歯車の配置と位相合わせ
- ピニオン円周等配置の角度は、「Fusion360」タブの「Z軸公転」に記載されています。N等配ピニオンは360/Nの整数倍となります
- ピニオン位相合わせの角度は、「Fusion360」タブの「Z軸自転」に記載されています。360×Zs/N/Zpの整数倍となります(2022.06.26誤記修正)
- 12時位置のピニオンギヤは、歯と歯溝のうち歯がトップに来るようになっています
- トップ位置のピニオンの歯数が奇数か偶数かによって、サンギヤのトップ位置が歯部か歯溝部が判断し、「Z軸自転」に記載します
遊星歯車のピニオンギヤは自動的に円周等配置され、位相も噛み合うようにセットされます
一連の作業はソフト側で行われるのでユーザは操作する必要はありません
- この例ではZs=31,Zr=71,Zp=20,Np=3なので、ピニオン公転角度は360/3*k,(k=0,1,2)より0,120,240
- ピニオン自転角度は、360*31/3/20*k,k=(0,1,2)より0,186,372(2022.06.26誤記修正)
- サンギヤ自転角度は、ピニオンが偶数なので1/2ピッチずらす。したがって360/31/2 = 5.81