モーションリンクの設定と回転

概要

  1. このページでは、「Fusion360」上で、歯車モデルが噛み合って回転するアニメーションの作成手順を説明します
    • それぞれの歯車の位置や回転の拘束・規制する「ジョイント」
    • 2つの歯車間の連動を結びつける「モーションリンク」
    • 完成したモデルに運動を与える「モーションスタディ」
  2. 最初に外歯車、2つ目に遊星歯車を取り上げます

【外歯車】軸固定

  1. 小歯車、大歯車の2本の軸を固定します。
    • 「ブラウザ」で小歯車側の「Shaft」を選択し、右マウスメニューから「固定」をクリックします
    • 同様に大歯車側の「Shaft」を選択し、右マウスメニューから「固定」をクリックします
「Shaft」→右マウス→「固定」

【外歯車】ジョイント作成

  1. 以下の手順で「ジョイント」を作成します
    • メニュー「アセンブリ」「位置固定ジョイント」をクリックします
    • ダイアログが立ち上がって、「コンポーネント」を選択する状態になります
    • 「1番目のコンポーネントを選択」で小歯車のボディをクリックします
    • 「2番目のコンポーネントを選択」で小歯車の軸をクリックします
    • ダイアログの「ジョイントのタイプ」から「回転」をクリックします
    • 「スナップ」の選択状態になります
    • 軸の中心部分にマウスを近づけると、「コンポーネント上にジョイントの原点を配置」が表示されたら、軸の中心をクリックします
    • 歯車が回転するアニメーションが表示されたら「OK」をクリックします
    • ジョイント原点に「旗」のようなマークがつくとともに、ブラウザに「ジョイント」の項ができて、その中に「回転1」ができます
    • 「回転1」を「小歯車回転」に名前を変えておきます
  2. 同じ手順で大歯車にもジョイントを作成し、名前を「大歯車回転」とします

【外歯車】モーションリンク作成

  1. 小歯車(歯数Z1)と大歯車(歯数Z2)間に運動規則を与えます
    • メニュー「アセンブリ」「モーションリンク」をクリックします
    • ダイアログが立ち上がって、「ジョイント」を選択する状態になります
    • 「リンクするジョイントを選択」で「小歯車回転」「大歯車回転」の順にクリックします。クリックするのは「旗」マークか、ブラウザの「小歯車回転」「大歯車回転」どちらもOKです
    • 2つの歯車が回転しますが、回転方向が逆でかみ合っていないので、調整します。
    • モーションリンクダイアログにおいて、「小歯車回転」は「360deg」のままとし、「大歯車回転」には「360*Z1/Z2」と入れます。Z1=20,Z2=31ならば「360*20/31」と入れます。クリックした順と合わせてください
    • アニメーションを見て、回転方向が逆の場合は、ダイアログの「反転」にチェックを入れます。回転が噛み合えば「OK」クリックします
    • ブラウザに「モーションリンク3」などの名前で追加されるので、わかりやすい名前に変更します

遊星歯車のジョイント

  1. モデルにはキャリヤがないので適当な形状で作ります。できたキャリヤをすべての軸と「結合」してください
  2. 各歯車と軸間に、前述の方法でジョイントを作成して名前をつけていきます(サン回転、ピニオン1回転など)
  3. 内歯車はサンギヤ中心をとおる軸との間にジョイントを設定します(リング回転)


遊星歯車のモーションリンク

  1. 「モーションリンク」をクリックして、サン回転(歯数Zs)、ピニオン回転(歯数Zp)の順に旗マークをクリックします
  2. サンギヤの回転は360degのままでピニオンギヤの回転を360*Zs/Zpと入力します。逆回転したら「反転」にチェック入れます
  3. 同様にすべてのピニオンとサンの回転に「モーションリンク」を作成します
  4. リングギヤは、まずサン回転をピックして次にリング回転をピックし、リング回転数を「360*Zs/Zr」と入れます。逆回転したら「反転」チェック
  • 今回の設定の仕方は、キャリに対してジョイントを作成したので、モーションリンクではキャリヤ固定で自転のみの速度関係をモデル化しました
  • キャリヤと軸を結合しないモデルの場合は、キャリヤの公転運動を速度関係に含めなければならないので、式が面倒になります

遊星歯車の固定要素

  1. 遊星歯車は3要素(サン、リング、キャリヤ)を入力要素、固定要素、出力要素のどれかに割り当てます
  2. 固定する要素は3種類ありますが、下のgifファイルでは、サンギヤ固定とリングギヤ固定を繰り返します